終活世代の言葉のスパイス(10) 「われわれは理性によってのみではなく、心によって真実を知る」
終活世代の言葉のスパイス 第10回です。
終活を始める年令に決まりはありませんが、定年後から80歳過ぎくらいまでのお歳をあえて終活世代と呼ぶなら、その皆さまの暮らしの中でひとつのスパイスになるような言葉を見つけてご紹介してまいります。
「終活世代の言葉のスパイス」第10回の言葉
われわれは理性によってのみではなく、心によって真実を知る (パスカル 「パンセ」)
心でも嘘か本当かは分かる
パスカル(1623-1662)はフランスの哲学者・物理学者・数学者・神学者・発明家で、名前は高校の物理の授業などで聞かれたでしょう。
その遺稿を集めた『パンセ』にこの言葉が載っています。本当にそうですね。いい言葉だと思います。
ロシア軍のウクライナ侵攻初期にキーウ近郊や他の地域で市民を虐殺したとされるニュースは世界を震撼させ、G7各国による追加制裁の実施や国連人権理事会・理事国資格の停止決議などが起こりました。
ロシアは「市民はひとりも殺していない」「ウクライナによる捏造だ」と言っていましたが、その後も嘘ばかりを重ね続けています。
事実認定は今後も進むでしょうけれども、論理的な裏付とは別に、私たちは心によってもそれらがロシアの仕業だと分かっています。
勝つためならどんな残虐なことでも行い、どんな嘘でもつくというやり方は、多くの日本人(少なくとも現代の)には到底受け入れられません。
しかし不幸にも、そういう政治体制の国が我が国周辺にいくつかあります。
「戦争は話し合いで回避できる」という理想どおりに事が運ばないことは、この戦争を通して毎日思い知らされています
上の写真は日本国憲法です(国立公文書館デジタルアーカイブより)。
前文に「日本国民は、恒久の平和を念願し、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。」とあります。
この部分は遠い理想が書かれています。他国を信頼しようという姿勢は原則として大事ですが、「われらの安全と生存」をそれに頼っても叶わないでしょう。現実的ではないので修正が必要と思います。
私は政治・宗教団体には全く関わり合いがありません。何かのデモに参加したこともありませんし、右翼でも左翼でもない、ごく普通の一般市民です。国民の自由や人権を踏みにじる政治体制や専制・独裁には反対ですが、これも偏っていない考え方でしょう。
そんな私でさえ、日本の平和や日本国民のささやかな暮らしを永続させるためには、このままではいけないと思います。平和なくして、自分史動画や終活の動画もありえません。
生まれてから現在まで、ずっと世界のどこかで戦争が行われていたと思いますが、この数年はかつてないほど衝撃を受けています。
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