運動会の動画をぼかし・モザイク処理なしでSNSヘアップするという問題について~自分史ムービー制作者として思うこと 

運動会

 先日の報道で、子どもの運動会を撮影した保護者がぼかし処理を行わずに動画をSNSへアップするのが後を絶たないという話題がありました。そこで、この問題について、普段自分史ムービーを制作している者として思うことを書きたいと思います。

 自分史ムービーや終活の動画の制作でも、今や常についてまわるのが撮影承諾の問題とぼかし・モザイク処理です。
個人情報保護法の改正もあり、どなたもご自身のプライバシーには非常に関心をお持ちです。
トラブルがないようにするためには十分な配慮と必要な編集処理が求められます。

 撮影承諾というものは、ちょっと分かりにくい部分があります。
例えばスナップ写真でも動画でも、写されている人たちが「自分を撮っているな」とはっきり分かって、その時に撮影を拒否しなければ、まだ問題にならない可能性はあります。
ところがその写真や動画は、撮影した人と被写体の人の間だけで見るというのなら良いかも知れませんが、それをネット上に公開するとなると「そこまでは事前に話もなかったし、承諾していないよ」となってしまう、つまり『目的外利用』という問題が起こることになります。

 ですので、問題なくSNSへ上げようとするならば、あらかじめ被写体の人たちにSNSへ使用することを明示したうえで撮影承諾をもらう必要があります。
もしその承諾がもらえていないなら、被写体の個人が特定されないようにぼかし・モザイク処理を入れるほかありません。
この処理については後で述べますが、結構面倒な作業が必要になることがあります。

 従いまして、自分史ムービーの制作者として当舎がぼかし・モザイク処理を入れてでも使うのは「どうしても必要な映像」の場合だけで、入れなくても構成が成立するならぼかし処理が必要な映像は編集使用を見合わせますし、撮影時もできるだけその被写体を避けた構図で撮影しておきます。

 報道された学校側は、スマホで撮影してすぐにアップできる手軽さが原因だとしてスマホでの撮影を全面的に禁止し、動画を撮影する場合は通信機能がついていない機器、デジカメやビデオカメラで撮影するよう保護者へ通知したというのです。

 この学校は、いくら "アナウンス" しても聞く耳を持たずにSNSヘアップする保護者がいるとのことで、結果として他の保護者からクレームを受ける事態が繰り返され、業を煮やしてこうした対応を行ったようです。
学校側の苦労も分かりますが、それでもこれは明らかに行き過ぎた対応だと思います。

 保護者にとっては普段使うことがないデジカメやビデオカメラを新たに購入するのは不経済で、今どきの解決策ではありません。
保護者がSNSと関係なく家庭内で楽しむためのスマホ撮影は自由に行ってもらいながら、同時にSNSのトラブルを減らしていくという対応であるべきです。

 「いくら "アナウンス" しても保護者が聞く耳を持たない」というのはどんな "アナウンス" をしたのか不明ですが、運動会の場内放送で数回 "アナウンス" するという対応だとすると、子どもの出番の時間帯に合わせて出入りする保護者もいるでしょうから、その時会場にいなかった保護者には伝わりません。
普段配布している通常のプリント類に "アナウンス" を記載していたとしても、子どもが保護者へ渡し、保護者が読むかどうか分かりません。

 誰もが必ず通る校門などに大きく掲示するとか、運動会プログラムのタイムスケジュール直下に記載するとか、いずれにしても保護者から見て「知らない保護者はいない」「学校側は十分に周知している」といえるような周知方法が必要でしょう。

 学校側がしっかり周知していれば、「分かっているのに、それでもやった保護者側の問題」となります。
どんな対応をしても完全になくすことは難しいと思いますが、子どもが学校にいる間は毎年繰り返し周知され続けるので、毎年毎年SNSへアップしてトラブルを繰り返す保護者はほとんどいないでしょうし、もしいたら個別の大きな問題になるでしょうね。

 なお、対応内容の判断が個々の学校に丸投げされていないでしょうか。
現場の先生がこういう問題について詳しくないと、ほどよい対応から外れた判断になりかねませんし、学校ごとに対応が違えば保護者にとって不満の元になりますので、地域内で統一した対応をするべきだろうと思います。

 問題のSNSヘアップする保護者は、学校からの "アナウンス" が届いていないのか、分かっていてやっているのか、それとも「小さく(あるいは短い時間で)写り込んでいるだけなので大丈夫だろう」などと考えたのか、いろいろなケースがあると思います。
しかし、個人が特定可能な状態で写っているのであれば、さきほど申し上げましたように、トラブルを避けるためには撮影時に利用目的を含めて撮影承諾をとっておくか、そうでなければSNSへアップする前にぼかし処理かモザイク処理を行うしかありません。

 スマホアプリにもぼかし・モザイクをかけられるソフトがありますが、付いている機能はアプリによってまちまちです。
「自分の子ども以外の周囲全体にぼかしを入れる」というような単純な処理ならまだしも、複雑な処理が必要な映像だと、それに対応できる高度な機能が付いていなかったり、できる場合でも非常に手間がかかることがあります。

 例えば当舎で先日撮影したある作業風景の映像で、8人の人が作業しているカットでそのうち6人にぼかしを入れるというものがありました。
作業の様子が分かるようにするためには、6人の顔の部分だけにぼかしを入れる必要があります。
作業中にバラバラな動きをしているので、ある人の顔は途中で下を向いたり、他の人と重なって顔が見えない瞬間もあります。

 このようなカットだと、自動追尾でぼかしを動かす機能があっても顔を判別できなくなった瞬間に追尾が止まってしまいますし、6人それぞれにバラバラな動き方でぼかしを入れられる機能が必要です。
PC上で作業するプロ用編集ソフトだとそのような機能は付いていますが、スマホアプリでは対応できないものも多いでしょう。

また、そういう機能があっても、スマホの小さな画面で細かな設定を行うのは面倒です。
30fps(1秒間に30フレーム)の動画だとすると、30秒間の動画なら900フレームにぼかしを入れることになります。
どのフレームもぼかしがズレないように確認しながら、ぼかしの位置や大きさをどんどん変化させていく設定作業をストレス少なく行うためにはジョグダイヤル付きの編集用キーボードもほしいところです。

 このような作業はそれなりの時間を要しますので、スマホだとさらに時間がかかります。
SNSへアップするのが遅くなり、速報性の価値が失われることもありそうです。
「そこまでしてSNSへアップするか?」ということになるかも知れませんね。なかなか大変な話です。

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