終活動画をいつ作るかを考える際に参考にしていただきたい「人生時計(人生時間)」の話

先日終活動画の制作を発注していただいたお客様が、打ち合わせのときに「人生時計」の話をされました。私は詳しく知らなかったのですが、人生を24時間と考えるといま何時にあたるかを計算するもので、「人生時間」とも呼ばれるようです。
これは「終活動画をいつ作るか、自分のいつの映像を撮影するか」を考えるにあたってひとつの参考になると思いましたので、今回はそれについて書きます。
人生時計は年令を3で割って時間に直すだけで計算できます。例えば60才の方なら60÷3=20ですので現在20:00(午後8時00分)と計算されます。3で割るということは、72才で午前0時になるという設定です。
そのお客様は今年72才になられて人生時計が1日を過ぎたので、このタイミングで終活動画・自分史ムービーを作ろうとお考えになったそうです。
まだ若い方は人生時間が早い時間なので気にならないでしょうけれども、ある程度の年令になると「午前0時までにあとこれだけしか残っていない」という、うれしくない気分になる方も多いかと思います。
しかし見方を変えるだけでずっと前向きに考えることができます。
その方法のひとつは午前0時を72才よりもっと先の年令に設定するというもので、人生時計はより早い時間になります。
例えば平均寿命を使うとすれば、今年厚労省から発表された「令和3年簡易生命表」によると男性81.47年、女性87.57年ですので、年令を男性の場合は約3.4、女性は約3.6で割ることになり、60才の方の計算結果はそれぞれ17.65と16.67。
よって時間に直すと男性17:39、女性16:40です(小数点以下を60に掛ければ分に直せます。60×0.65=0:39)。午後6時より前になって、残り時間がだいぶ増えました(笑)。
また「人生100年時代」などと言われますので100才で終わるとすると、年令を4.17で割ることになり、60才なら60÷4.17≒14.39。時間に直すと14:23頃となります。若い!まだ昼下がりです(笑)。
このように人生時計を早い時間にするのはお好み次第で可能ですが、自分の寿命が何才までかは通常分からないのでどのように計算しても結局は不確かなものであり、参考値ということになります。
また、72才という設定はあながち非現実的なものでもなく、健康寿命が男性72.68年、女性75.38年(2019年データ。3年毎に更新)であることを見れば一定の妥当性もあります。3で割るという方法は覚えやすく計算しやすいですしね。
そこで72才で午前0時になるという計算方法をそのまま使い、それをもっと別の見方に変えてはいかがでしょうか。
実はこのお客様は「午前0時を過ぎたここからの人生は、全部がプラスαの部分」とも話されています。この見方はすごいです。
一般的には午前0時の先はないと考えがちで、そのため残り時間が短いことが気になってしまいます。しかし時計というものはそこで止まらず動き続けて翌日に入っていきます。
人生もひとつの節目を迎えただけのことで、午前0時を回ったら次の日に入ってまだまだ続いていくという見方は素晴らしいですよね。
私はこの見方にならいたいと思いますが、皆さまはいかがでしょうか。
「人生砂時計」という言い方もあるらしいですが、砂が全部落ちたら終わりですので(笑)、砂時計に例えるのはよくないですね。デジタル式で数字が表示される時計も、時間の連続性が分かりにくいです。
やはり文字盤と時針・分針がついているアナログ時計がしっくりくるのではないでしょうか。それもゼンマイ式の柱時計が人生時計のイメージにピッタリだと私は思います。
家から柱が消えて柱時計もなくなりました。在来軸組工法の日本家屋では、柱が見えている「真壁造り」から防震性・断熱性・デザイン性などにすぐれていて柱が見えない「大壁造り」に変わったこと、さらに2×4やプレハブ式住宅、マンションなど壁構造で柱が存在しない工法の家が増えてきたことで家の内装から柱が消え、昔ながらの重い柱時計は軽い壁掛け時計に置き換わりました。そしてゼンマイ式から電池式になりました。
今ではレトロなゼンマイ式の柱時計が人生時計のイメージに合っていると思う理由は、ときどき手で巻かないと止まってしまうという点にあります。
左右2箇所の穴に「巻き鍵」を入れてしっかり巻くことでその先も動き続けるという構造は、健康が保てるように自身のメンテナンスに手間を掛けて人生を続けていく姿と似ています。
振り子が時を刻む音は心臓の鼓動のようでもあり、ときどき針を動かして時間を正しく直す必要があるところも人間臭さがあります。
こうして72才を人生時計が最初の1日を刻み終わる節目として考え、その前後の時期に終活動画や自分史ムービーを作るのも良いタイミングです。
HOMEページやブログの他の記事にも書いているとおり、この先も人生がまだまだ続きそうだと感じられる時期にいったん人生を振り返り、その先の過ごし方や人生の楽しみ方を考えてみるのは大変良いことと思います。終活動画や自分史ムービーに関して言えば、お元気に普段どおりの生活をしているお姿を映像に残せるのが最適です。
人生の節目は長寿祝い(還暦(満60才)、古希(70才)、喜寿(77才)、傘寿(80才)、米寿(88才)、卒寿(90才)、白寿(99才)、百寿(100才)など)のほか、結婚記念日、仕事を引退するとき、何かを達成したとき、その他の個人的な節目などいろいろありますし、終活動画・自分史ムービーを作る時期は節目だけでなく作ろうと思い立ったタイミングでも良いと思いますが、人生時計の72才前後というのもひとつの良い時期です。
「終活動画をいつ作るか、自分のいつの映像を撮影するか」を考えるにあたってご参考にしていただけましたら幸いです。
当舎は自分史ビデオと自分史ムービー・自分史動画、終活動画と終活ビデオ・終活ムービーを同じ意味で考えております。