自分史ビデオとの接点(5)父親の思いを描いた第一生命のCM「息子の旅立ち」が秀逸!
自分史ビデオや終活での動画を作るときの視点として、参考になる事例をご紹介する「自分史ビデオとの接点」シリーズ。
第5回は、少し前のCMですが第一生命の『幸せの道「息子の旅立ち」篇』についてです。
子ども時代の記憶や人生の中の残像さがしか?
数年前、息子が就職で家から独立するにあたり、引越荷物を送り出して高速バスで出発するときの父親・母親とのやりとりをドラマ仕立てで描いているCMがありました。
調べてみたら、このCMは第一生命の『幸せの道「息子の旅立ち」篇』であることが分かりました。(同社のCM放映ニュースリリースはこちら)
30秒のCMで、実写部分は計15カットで構成されています。
フィクションですので、ここに出てくるのは架空の父親なのですが、私もひとりの父親としての目線で見て「分かるなー」と思うのです。
息子が家の中で母親と引越荷物を整理しているときに出てきた写真アルバムを広げ、父親が写っている写真がほとんどないことに気づきます。
母親は、撮影していたのがいつも父親だったからだと言います。
父親が自分の写真を小さい頃からたくさん撮り続けてくれたことを今さらながら知る息子。
運送トラックの近くにいる父親を二階の窓から見下ろす息子。
父親は息子に直接声をかけたりしません。そういう性格なのです。
しかしバスに乗った息子に対して外からひと言だけ、 "口パク" で伝えるシーンがあります。
その口の動きで、「頑張れよ」と言っていることが分かります。
「親父らしいな」とでもいうようにうっすら微笑んで、頷く息子。それを見て微笑み、頷き返す父親。ここが最高です。
言葉に出して言わなくても、父親の息子に対する思いがにじみ出ています。そして息子は父親の思いを理解しています。
これでも十分に伝わってくる構成なのですが、TVでよく放映されていた30秒版とは別に60秒版・120秒版も作られていたことが分かりました。
そこでは30秒版には出て来ない息子のある行動と、そのことを後で知った父親の姿が描かれています。
息子は写真アルバムから父親の写真を一枚そっと抜いて持ち出していたのです。
後日、父親はアルバムのその写真がなくなっていることに気づき、息子に長い間の自分の思いが確実に伝わっていることを知って、安心したかのように少し微笑みます。
私ははからずも、そのシーンでちょっと泣いてしまいました。
「お父さん良かったね。まずはここまで長い間御苦労様でした」という気持ちです。
120秒版ではそれに加えて、母親が思ったことをその場でポンポン言う人であること、父親がそれとは対照的におとなしい性格であること、そして息子はそれらをよく分かっていることがていねいに描かれています。
3つの作品を見比べてみると、それぞれの編集意図がよく分かります。
こういうCMは、同じような人生経験を持っている世代の人でないと作れないのではないかと思います。
BGMは女性ボーカルの優しい声で、父親と息子を称えているかのような感じがして、これもとてもいいです。
父親というもの、あるいは男というものは「無口で、不器用」なのでしょうか。
昭和のCMで「男は黙って、サッポロビール」というのがありましたね。三船敏郎が渋い声のナレーションでそう言っていました。
いまこのCMを流したら、視聴者はどんな反応をするでしょうね。若い女性は「訳わかんない」「何それ、ウケるー」とでも言うでしょうか。
昭和の時代は、何も違和感はなかったと思います。
上の写真についてですが、これは私が以前読んだ本に書かれていた内容に由来します。
その本で著者は自分の父親のしていることを反面教師として描き、「自分はそうなりたくない」と思って生きてきたことが書かれています。
しかしあとがきで、"父親は無口ではあったが、例えば暗い家の前で灯りを持ち、自分がいつ帰って来てもいいようにずっと静かに立っているかのような人だった" というようなことを書いています(正確な文章は覚えていませんがそういう意味の言葉です)。
今回のCMでそのことを思い出し、この記事の写真を「灯り」にしました。
CMの写真は著作権の関係で使えませんしね。(笑)
「父親とは」「家族とは」「人生とは」。
それらについて、いろいろと考えさせてくれるCMでした。
父親は自分史を直接話すよりも映像で伝えたほうが良いかも知れません
子どもにとって父親は、小さい頃から昼間は仕事で出かけていて、休みの日は家にいてもあまりあれこれと話さなかったりで、母親よりもずっと分かりにくい存在なのかも知れません。
父親のほうは自分のことを子どもによく理解してもらっていると思っていても、例えば「父親の子どもの頃の様子は聞いたことがない」「仕事でどんな苦労をしたり喜びがあったのかも知らない」「父親の祖父母との思い出とか、我が家のルーツの話も聞いたことがない」ということになっていないでしょうか?
父親が自分史を映像にしてそれらの話を入れれば、子どもに直接話して聞かせるよりも伝わるかも知れません。
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吉川 友清
一分一厘舎代表。
映像作家、終活ライフケアプランナー・防災士・援農ボランティア。
2021年3月より自分史動画・終活動画制作専門の「My History Video」サービスを提供中。
制作・撮影・編集ほか、事業全般を担当している。