言葉のスパイス(12)「地球は先祖から受け継いでいるのではない、子どもたちから借りたものだ」 

大事なものを受け渡す親子の手

 言葉のスパイス 第12回は「地球は先祖から受け継いでいるのではない、子どもたちから借りたものだ」(You do not inherit the earth from your ancestors, you borrow it from your children.)(サン=テグジュペリ)です。
 逆説的な言い回しというか、ハッとさせられる言葉です。環境問題・SDGs関連でよく使われているようですが、それに限らず幅広いことについて私たちに気付きを与えてくれる言葉だと思って取り上げました。

 サン=テグジュペリ(1900-1944)はご存じ、「星の王子さま」で有名なフランスの飛行機パイロット・作家です。
ただ、調べてみるとこの言葉は、サン=テグジュペリのオリジナルかどうかがはっきりしません。
ネイティブアメリカンの古い格言(主語は "You" ではなく "We")であるとも、オスカー・ワイルド(アイルランドの詩人。1854-1900)が先に同じ意味のことを言っているとも、さらに別の人の言葉だとも言われているようで、どうやら定説はないようです。

 「地球」は「今の地球」のことですね。地球といえば真っ先に環境問題を頭に浮かべますが、「今の時代」「今の世の中(社会)」と受け取っても良いでしょうから、環境に限らず「社会のすべてを子どもたちから借りている」という考え方を提起していると、私は理解しました。

 どうも私たち大人は上から目線といいますか、子どもたちに対しては何事も「与える」「教える」「言い聞かせる」という発想をしがちですし、社会全般についても借りものという意識はなく、「自分たちの好きなように(勝手に)使って生活している」ように感じます。
そのため、私たちは常日頃、未来に対して責任を負っているという意識があまりないかも知れませんが、借りているものなら大事に使う責任と良い状態できちんと返す責任があります。

 そう考えると、世代交代は責任をバトンタッチすることとも言えますので、「勝手に受け継いでね」では無責任であり、きちんと受け継ぐべきですし、上意下達のように押し付けるのもまずいです。子どもに対しても「言うことを聞かせる」のではなく対等な関係で、親が責任をもって生きてきた姿やその結果をきちんと見せたうえで、それで良かったかどうかは子ども自身に判断させるのが良いのでしょうね。

 自分史ムービーにおいても、お子様たちに何かをお伝えいただくときのニュアンスは、編集を担当する立場としてこの点留意したいと思いました。

 

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