日常生活を楽しむ(10) 「セミは幼虫7年・成虫7日」という間違った認識を猛反省 

「セミは幼虫7年・成虫7日」という間違った常識

 「日常生活を楽しむ」の第10回。今回はセミの話です。
家の周りでアブラゼミが鳴き始めているのに気づいたのは1~2週間くらい前でした。ずっと前から夏の暑さが続いているので、意外と遅く感じました。
土用の間日に大汗をかきながら庭の雑草抜きをしていたら、ハナミズキの木の下にセミが出てきたと思われる穴を見つけました。

 家の庭でもセミが長い間無事に土の中で暮らして羽化するのは土が無害だからで、良いことです。ただ、コガネムシなど葉っぱを食べる害虫も育ってしまうんですけどね。
セミの穴をきっかけに、子どもの頃以来、改めてセミの生態について調べてみました。その結果、私にとっては新事実となることがいくつか判明して愕然とすることになりました。

 幼虫は土の中で木の根に取り付いて、その樹液を吸って育つそうですね。これは知らなかったことですが、考えてみれば一石二鳥です。羽化するためには木に登って安全で羽根が展開しやすい場所を確保する必要があり、地面の上で羽化するのは都合が悪いでしょう。「いざ地表に出てみたら原っぱの真ん中だった」というのでは、セミも真っ青です。その点、木の根が住み家ということは、地表に出れば登るべき木が「ああ、これか」と目の前に見えるわけですから、羽化の場所があらかじめ保障されているようなものです。

 「成虫は死ぬまで何も飲み食いすることなく、そのため寿命も短い」と思っていましたが、そんなことはないそうです。細長い口(口吻)を木の中の維管束に差し込み、樹液を吸って水分・糖分や栄養素を補給しているそうですね。それにしても口の管が木に刺さるとはすごい硬さです。

 「幼虫は土の中で7年過ごす」とこれまで固く信じていましたが、全然違っていました。まだ詳しく解明されていない部分もあるようですが、ツクツクボウシで1〜2年、アブラゼミで3〜4年、クマゼミで4〜5年くらいだそうで、いずれにしても一般的には7年より短いそうです。

 さらに「成虫の寿命は7日」という常識も間違いだそうです。鳥や肉食昆虫などの天敵に食べられたりしなければ2週間~1カ月程度は生きられるそうです。寿命がわずか数日というイメージは、捕まえて飼っているとすぐに死んでしまうところから来ているとか。

 こうして、子どもの頃に身につけてから何十年もの間信じてきた「セミは幼虫7年・成虫7日」という常識は、いとも簡単に崩れ落ちてしまいました(笑)。


 ここからが本題です。
この「セミは幼虫7年・成虫7日」という間違った知識はかなり多くの人が持っている模様です。ウチの子どももそう理解していたので昔に限った話ではないようですし、もはや都市伝説レベルです。
いったい誰がそう教えたのでしょうか。詳細は不明ですが、多くの人がそう理解しているということは、いろんなところで人から人へと同じことが伝えられているのでしょう。こうしたことはセミに限らずいろいろあるのだろうと考えると、多くの人が間違った理解をしているというのは由々しきことです。

 いったん身につけた知識は、その後どこかで修正する機会がなければ何十年でもそのまま頭の中に残っています。年令が上の人ほど、長い人生で得てきた常識ということで自信さえ持っていることもあります。それを信じたままずっと生きているというのは、何かと危ういことだと思いませんか。

 今まで常識と思ってきたことも時には確認し直して修正する必要がある、ということを今更ながら思い起こさせてくれました。

 皆さまは、長年常識と思っていたことがある日崩れ去って愕然としたことはありますか?笑って終わったことなら良いのですが・・・。衝撃の大きい出来事でしたら、そのエピソードを自分史ムービー・終活動画のワンシーンとして入れませんか。

 

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