言葉のスパイス(17)「美しい景色を探すな。景色の中に美しいものを見つけるんだ」

毎日のように気が塞ぐニュースが多い中、何か清涼剤のような言葉がないかと探して見つけたのが「美しい景色を探すな。景色の中に美しいものを見つけるんだ」です。フィンセント・ファン・ゴッホ(1853-1890)の言葉とされていて、日本では英文の "Don't seek for the beautiful scenery, find beauty in the scenery." という言葉も出回っています。
オランダ人でイギリスやフランスに住んでいたゴッホがこの言葉をもともと何語でどう語ったのか知りたくて、この英文を海外のサイトで検索しても、手がかりどころかこの英文すらヒットしません。その代わりに海外ではこれと近い意味の別の英文が定着しているようです。それは "If you truly love nature, you'll find beauty everywhere.(当舎訳:本当に自然を愛していれば、美しいものはどこにでも見つけられる)" と言う言葉です。
今回選んだ言葉と比較すると、ニュアンスが微妙に違いますよね。今回の言葉のほうは単に「景色」のことを言っているだけでなく、「人生」とか「生活」、「世の中」などに置き換えて読むこともできて、より人生訓のような言葉になっています。
私は "If you truly love nature・・・" という英文か他の言語の原文が「美しい景色を探すな・・・」という日本語へ大胆に意訳されたのではないかという気がしています。日本人好みに醤油で味付けしてね。
もしそうだとすると "Don't seek for the beautiful scenery・・・" という英文は翻訳後の和文を日本人がわざわざ英文に直訳し直したもので、ゴッホの言葉とはいえないニセモノということになりますが、そんなこともあり得るかと。
果たしてどうなんでしょう。どなたか真実をご存知でしたら、ぜひご連絡ください。
さて、今回選んだ表題の和文に話を戻しますが、この言葉に清涼感を感じるのは、さきほども書いたように「景色」を人生、生活、世の中などに置き換えて読めるからで、「何気ない日常の中でも美しいものや楽しいことを見つけて気を晴らすことができる」という希望が読み取れます。
誰が言ったとしてもすばらしい名言ですが、それを「名画『ひまわり』などを描いたゴッホが言った」というようなことで人気があるのかも。
これから秋の楽しいことをたくさん見つけて気を晴らしたいものです。
今日、ささやかな秋の楽しみをひとつ見つけました。近所の農産物直売所へ行ったら地元の栗がもう出ていたので思わず買ったのです。品種は書いてないので分かりません。数種類あった中で大振りのものですので『利平』だったらいいなと淡い期待もあり、食べるのが楽しみです。暑い時期から出回り始める梨と比べて栗は少し遅く出てくるので、より秋の到来を感じます。
空気の "粗熱" もだんだんとれて過ごしやすくなってきました。最近はエアコンを消して寝れる気温になり、体調も良くなりそうですね。
あなたは秋ならではの楽しみを何かお持ちでしょうか。あなたらしい楽しみ方でしたら、自分史ムービーのワンシーンにできるかも知れません。お気軽にぜひご相談ください。
当舎は自分史ビデオと自分史ムービー・自分史動画、終活ビデオと終活ムービー・終活動画を同じ意味で考えております。