「援農ボランティア」で終活世代の健康と生きがいづくりを
終活を始める年令に決まりはありませんが、定年後から80歳過ぎくらいまでのお歳でまだまだ元気な方々をあえて終活世代と呼ぶなら、その皆さまの健康維持に最適な趣味であり、社会貢献でもあることのひとつが「援農ボランティア」ではないかと思います。
今回は、健康増進と生きがいづくりの両方を満たすことができる「援農ボランティア」活動についてご紹介します。
援農ボランティアの起源は定かではありませんが、少なくとも20年前には既に存在していたようです。
近年、農家の高齢化が進んで耕作放棄地が増加するとともに都市部を中心に宅地化が広がり、農業の縮小が止まらない中で、農家を支援する援農ボランティアの重要性が増しています。
市民の側も、ボランティア活動を災害時だけでなく日常的に行って社会貢献したいという方や、近隣の農家さんとつながりを持ち支援したい方、畑で土に触れたり体を動かして気持ちのいい一日を過ごしたい方、家庭菜園をしていて栽培知識をプロの農家さんから教わりたい方など、さまざまなニーズをお持ちの方がおられます。
私も地元の援農ボランティアに登録して時々参加していますが、自分の都合に合わせて一日単位(実際には数時間程度)で気軽に参加できるところがいいですね。
誰でもできる作業の募集になりますので、専門的な栽培管理の作業は基本的には無く、除草、片づけ、簡単な収穫作業、出荷準備作業などが多いです。
それでもこれまでにいろいろな野菜の栽培方法や病気・虫害対策を作業しながら尋ねて教えてもらい、家庭菜園での野菜栽培に役立っています。
参加方法は、各地域の行政・JA・NPO・財団などが行っている援農ボランティアに登録し、その後各農家さんの募集案件を見て、日時・場所・作業内容等に自分の希望がマッチしたら参加を申し込む、というのが基本です。
ただし、運営団体によっては、まず養成講座を受講することが登録条件になっていることもあります。
また、援農ボランティア制度がない地域もありますので、お近くで募集しているかどうかはご自身でお調べください。
当舎は神奈川県と東京23区・多摩地域を中心に活動していますので、把握できる範囲でそれらの地域における援農ボランティアの募集状況を記載します。
神奈川県
今年の時点で、一般市民を対象に援農ボランティア活動を運営している地域は、川崎(JA)、相模原(市)、藤沢(市)、茅ケ崎(市)、平塚(市)などです。(カッコ内は運営団体)
登録方法、募集時期、養成講座の有無やその内容・期間などはそれぞれ異なります。
今年度の募集が時期的に終わっているところもありますので、来年の予定なども含めて、詳しいことは各運営団体へ直接お問い合わせください。
東京都
東京の場合は、ありがたいことに東京都農林水産振興財団が開設しているサイト「とうきょう援農ボランティア」で、都内各自治体の援農ボランティア情報を広域的にカバーしていて、登録もこのサイトでできます。
他の運営団体では募集案件が登録者のみに開示・案内されることが多いのですが、ここでは募集案件が誰でも閲覧できるのですごくいいと思います。
しかも東京都民でなくても登録は可能とのこと。
募集案件への市外・区外からの参加可否は市区ごとに決められていて、可否が表示されています。
登録条件としての養成講座もありませんし、年令上限もなく、農作業ができる程度の体力があればOKです。
ただし登録は、募集案件の中で具体的に参加したいものがあるときに行ってほしいとのことです。「とりあえず登録だけ・・・」という人が多いと登録作業ばかりが増えてしまうでしょうから、これは理解できますね。
なお、町田では「NPO法人たがやす」でも会員募集や活動参加受付を行っているようです。
こちらはNPOの会員になって年会費の支払が必要とのことですが、活動参加時には若干の謝礼金をもらえるとのこと。
このほか、検索していると農家さんが直接援農ボランティアを募集している個人サイトも見つかることがありますので、ぜひ検索してみてください。
自分史ムービーや終活で作る動画に援農ボランティアの活動をしている姿を入れるのもいいと思いませんか。
ご希望の際は、可能な限り同行撮影させていただきます。
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吉川 友清
一分一厘舎代表。
映像作家、終活ライフケアプランナー・防災士・援農ボランティア。
2021年3月より自分史動画・終活動画制作専門の「My History Video」サービスを提供中。
制作・撮影・編集ほか、事業全般を担当している。