終活で次の世代に伝える（２）安倍元首相の事件で再認識した「自分の姿を映像で残しておくこと」の大切さ　

　終活は、子どもや孫などへ世代交代するためのバトンタッチであるとも言えます。
だとすると、直接話したり終活で作る動画の中で語ったりして、次の世代にどんなことを伝えましょうか。
ご自身が人生で経験したことが次の世代の人たちにとって参考になるのなら、労を惜しまずに伝えたいものです。

安倍元首相が若い人に向けて話したスピーチ

　人生が突然終わると、自分の人生を振り返ってみることも、誰かに何かの言葉を残すこともできずに終わるかも知れません。
安倍元首相の事件に関しては、銃撃される以前に若者へ向けてひとつの言葉を残していたことを知り、それはそれで良かったと思いました。

　安倍氏が近畿大学の卒業式に参列して行った約15分間のスピーチがあることを知ったのは死後のことでした。
近大がその内容をYouTubeに上げていると知り、拝見しました。
『元内閣総理大臣 安倍晋三氏 卒業式スピーチ「大切なことは失敗から立ち上がること」｜令和3年度近畿大学卒業式』

　涙が止まりませんでした。亡くなった後だから余計に泣いた部分もありますが、この事件がなかったとしても、やはり泣いたと思います。

　これは自分の人生を振り返って自身の言葉で語っているので、ある意味、自分史動画の一節のようなものです。
このスピーチは卒業生に贈る言葉として良いはなむけの内容だと私は思います。

　私は特定の政治･宗教団体との関わりや政治的な思惑もありませんので、安倍氏が当然批判を受けるべき人であり、近大は世耕さんつながりとはいえ、全てを否定したりしません。
安倍氏に限らず、人の良い面と悪い面は分けて考えたいと思っています。

大切な話を自分史の映像で残しておく

　このスピーチ動画は「自分が大切だと思う話を映像で残しておくことがいかに尊いことか」ということを私に再認識させてくれました。
予想外の出来事で突然亡くなってもこうして見ることができるのですから、映像で記録することは本当に大切です。
私たち普通の一般市民は、映像をあえて残そうとしなかったら残ることはありません。
このことをぜひお伝えしたいと思いました。

　皆さまは、子どもや孫に残しておきたい話はありませんか。
もしあれば、その話を自分史ビデオや終活で作成する動画にいれませんか。
ご家族から長寿祝いなどでプレゼントしていただき、親や祖父母から昔の暮らしぶりや一家のルーツ･ファミリーヒストリーなど、聞きたい話を入れてもらうのも良いと思います。

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