終活で次の世代に伝える（１）マスクを外せない子たちへ　　

　終活は、子どもや孫などへ世代交代するためのバトンタッチであるとも言えます。
だとすると、直接話したり終活で作る動画の中で語ったりして、次の世代にどんなことを伝えましょうか。
ご自身が人生で経験したことが次の世代の人たちにとって参考になるのなら、労を惜しまずに伝えたいものです。
　2022年の初夏あたりから、コロナが収束していく中でもマスクをなかなか外すことができない子たちのことが話題になっています。
今回はこれについて考えてみます。

気持ち次第とはいえ、深い悩み

　コロナのせいで、学校や職場などで数年間マスクをつけっ放しで顔を見せることがなかったために、いまさら外すのはすごく恥かしくてできない、という問題です。
　コロナが収束に向かった2022年春から初夏にかけて、周囲の人たちがマスクを外し始めたことでこの問題が表面化するとともに、外せないご本人はそのことを気にするようになりました。
その後、外せるようになった人もいれば、今も苦しんでいる人もおられます。

　外せるかどうかはご本人の気持ち次第とはいえ、この悩みは深いです。
何かのコンプレックスで同じような悩みを抱えたことがあると、苦しみが理解できる部分もあるかと思います。
ご自身はどのように克服していったのかという経験があると、参考にしてもらえるかも知れません。
もちろん、強く言うだけではご本人に受け入れてもらえませんので、自然に伝わるような方法が良いのではないでしょうか。

新しい人間関係で少しづつ慣れていくのはどうでしょう

　思い切っていきなり外すという方法もあるかも知れませんが、私が良いと思うのは、マスクなしの顔で人と接する機会を徐々に増やして、接した人と少しずつ普通の良好な人間関係を作って自信をつけるという方法です。

　例えば、日帰りの小旅行でもいいのですが、自分を知らない人たちばかりの地域でマスクを外した姿に慣れてみるとか、趣味サークルなど新しい集団やコミュニティに入ってマスクなしで人間関係を作ってみるとか、学生の場合は卒業などで環境や接する人が変わるタイミングを利用するとかの方法で、少しづつ慣れていってみるのはどうでしょうか。

　新しい人と人間関係を作って互いに笑顔で話し合えるようになると、これまでの辛さを癒してくれて、マスクなしの自分に自信が少しづつ付いてくるのではないでしょうか。私はそんな気がします。

　子どもや孫にご自身の貴重な経験や知っておいてほしいことを伝えようとするとき、直接話すのが一般的ですが、その時にいない人には伝わりませんし、説教臭く思われるかも知れません。また、その場限りで忘れてしまわれるかも知れません。
ですので、終活で作る動画に伝えたいことを入れて見せるのも良い方法だと思います。

　伝えたいことがありましたら事前にお聞かせいただくと、映像でどう表現すれば伝わりやすいかや、自然な感じで伝える方法などを当舎で工夫いたします。
また、子どもや孫の皆さまから自分史ムービーの制作をプレゼントされる場合は、親や祖父母からどんな話を聞いておきたいかをお聞かせいただければ、その内容を取材や撮影でお聞きして動画に入れていきます。

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