終活世代の言葉のスパイス(6) 「『今日』というプレゼントを楽しもう」
終活世代の言葉のスパイス 第6回です。
終活を始める年令に決まりはありませんが、定年後から80歳過ぎくらいまでのお歳をあえて終活世代と呼ぶなら、その皆さまの暮らしの中でひとつのスパイスになるような言葉を見つけてご紹介してまいります。
「終活世代の言葉のスパイス」第6回の言葉
『今日』というプレゼントを楽しもう
Yesterday is history, Tomorrow is mystery, and Today is a gift. That is why we call it “present”.
(アリス・モース・アールの言葉で、本橋麻里さんのツイートから)
昨日のことを引きずらず、明日どうなるかは気にせず、今日を楽しむ
ロコ・ソラーレの代表理事・本橋麻里さんが北京オリンピック準決勝(2022年2月18日)の試合前に選手たちへ送ったツイートの言葉です。
実際に試合で見せてくれた苦悩と歓喜の姿はまさにこの言葉を体現していて、人生訓として含蓄深いと思いました。
英語の部分を調べてみたら、米国では有名なフレーズで、歴史家兼作家のアリス・モース・アール(1851–1911)の言葉だそうです。
意訳すると『昨日は過ぎてしまったこと、明日はどうなるか分からないこと、今日という日はひとつの贈り物。だから今日(現在)のことを「プレゼント」と呼ぶ。』というようなことになります。
“present”に「現在」と「プレゼント」という二つの意味があるのをうまく使ったフレーズです。
本橋さんはこのフレーズの後に「『今日』というプレゼントを楽しもう」と添えています。
この大会のロコ・ソラーレの試合を見てきた人ならお分かりかと思いますが、この言葉をこのタイミングでツイートしたのはドンピシャでした。
「昨日」とは2月17日の1次リーグ最終戦のことを指し、「明日」とは2月18日の準決勝で勝てば銀メダル以上が確定して決勝へ、負ければ銅メダルを賭けた3位決定戦へ、そのどちらに進むかを指しています。
2月17日の1次リーグ最終戦は準決勝進出を賭けて強豪スイスと戦い、敗れました。正確なショットを繰り返すスイスに対して、日本は残念ながらミスショットが多く、それが次々と相手の得点になっていくという苦しい展開でした。
その数日前、藤沢五月選手は「メンタル的に一番難しいのが、みんなが勝ち星を気にする1次リーグの後半。」と言い、プレッシャーによるミスをあらかじめ警戒していたのですが、それでもやはり重圧が大きかったのでしょう。
これが「昨日」の試合結果です。
試合後には予選敗退を覚悟していた選手たちですが、その後他の競合チームも成績を伸ばせず、一転ギリギリで4位に滑り込みました。
これまでに積み上げてきた対戦成績やラストストーンドロー(LSD)の好結果がここで効いてきたわけです。
「今日」とは2月18日のことです。はからずも転がり込んできた準決勝は、まさに贈り物・プレゼントです。
「予選1位対4位」という組み合わせに基づき、相手は前日と同じくスイスとなりました。
予選1位という絶好調の強豪で、しかも前日に負けている相手とあって、普通に考えればかなり大きな壁。
そこで本橋さんは、"前日の敗戦にくよくよせず、準決勝の勝ち負けも気にせずに、いただいた今日のプレゼントに感謝して試合を楽しめ。" と言ったわけです。
その結果、ミスが多く出たのはスイスのほうで、日本は終始有利な状況を維持して見事に勝利しました。
スイスから見れば、自分たちは絶好調で日本は格下、しかも前日に勝っている相手です。本来なら精神的に有利なはずですが、勝てば決勝という重圧が大きかったのか、追われる立場として同じ相手に連勝しなければならないというプレッシャーか、あまり余裕がなかったようでした。
日本は前日の敗戦理由や何を修正すればいいのかが分かっていて、しかも転がり込んできた機会という、有利な部分も持っていました。
吉田知那美選手が数日前に言っていた「無駄な経験は何ひとつないと、試合をしながら感じていました」の言葉どおり、この日も前日の内容から修正できた結果でしょう。
これらはカーリング競技の中で起こっていることとはいえ、そこから学べる部分が多いと思います。
失敗を引きずらないこと、経験を生かして修正すること、努力を積み重ねておくこと、明日どうなるかを気にせず今日に集中すること、今を楽しむこと・・・。
本当に運の強いチームですが、その運は努力によってもたらされているということがよく分かります。
それらのことを選手たちが身をもって示してくれたことに感謝したいと思います。
この言葉は日本ではそれほど使われていないと思いますが、それは英語で言った時の“present”に「現在」と「プレゼント」という二つの意味をかけていることに妙味があるからかも知れません。
それでも「一日一日をありがたく大切に生きる」というのは大事にしたい考え方ですね。
自分史動画・終活の動画を作る際に古い写真をまとめて見返しながら人生を振り返ると、いったん「棚卸し」することができます。
すると「人生でまだやり残していることは何だろうか、これから先の人生はどうやって生きていこうか、何をして楽しもうか」と考えるきっかけになります。
それが自分史動画・終活の動画の良いところのひとつです。
若い頃とは違って、残りの人生が気になる年代になると一日一日をいっそう大切に暮らしたいと思うのではないでしょうか。
当舎はそのような世代の方を、自分史動画・終活の動画というドキュメンタリー・ムービーの制作を通して応援したいと思っております。
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吉川 友清
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映像作家、終活ライフケアプランナー・防災士・援農ボランティア。
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