終活動画のネタ(1) 手前味噌󠄀の仕込み
新シリーズ「終活動画のネタ」です。
終活世代の日常生活の楽しみに関する情報をお届けするとともに、実際にやっておられる方は終活動画を制作するときに入れるネタのひとつとしていかがでしょうかというご提案でもあります。
第1回は手造り味噌󠄀の仕込みについてです。
春先の仕込み作業は簡単
我が家では毎年春先に味噌󠄀を4kg分くらい仕込み、秋から食べ始めて1年で消費しています。
買えば済むものをなぜわざわざ自家製で作っているかと言いますと、やはりおいしいからです。
よく「手前味噌󠄀はおいしい」と言われます。また「たとえ家族であっても、作った人によって味が違う」とも。
一説によると「作った人の手についている常在菌が味噌󠄀に移って、味の違いになる」とか。本当かどうかは分かりません。
仕込作業の前に殺菌成分入りのハンドソープでしっかり手洗いしているんですけどね。
仕込時期は1年じゅう可能とのことではありますが、カビの発生をできるだけ減らしたいのと、いいタイミングで真夏を迎えてしっかり発酵させたいので、遅くてもお彼岸までには仕込を終えるようにしています。
本当は『寒仕込み』といきたいところですが、いつも寒の内は仕込まないまま通り過ぎてしまい、暖かくなり始めてから慌てて重い腰をあげ、材料を買い集めています。
カビ菌をできるだけ入れたくないという発想で、仕込む際は湿気が少ない晴れの日を選び、部屋中の窓をしばらく開けて換気を行い、寒くてもエアコンを切って仕込み作業をしています。
実際のところ効果があるのか、それとも無駄な抵抗なのかは分かりませんが(笑)。
今回は大豆(とよまさり)1.25kg、麹1kg、塩分12%で仕込みました。
上の写真の左にある細長いものは、茹でた大豆を手回しミンサーでつぶしたものです。
手で一生懸命つぶして、つぶしきれなかった大豆のかけらがちょっと入っている味噌?も手造りらしくていいのですが、ミンサーだと手っ取り早く均一につぶせて楽です。amazonでは2000円くらいから売っています。
麹と塩を先に混ぜ合わせ、大豆とアメ(煮汁)を加えてよく捏ねてから味噌󠄀玉を作り、空気を抜きつつ樽に詰めて表面に塩を振ります。ラップを密着させて食品用アルコールをスプレーし、中蓋を置いた上に重石を乗せてビニール袋で覆います。
完成するまで手間いらず
家では天地返しをせず、秋になるまで開けません。
この程度の量でしたら、真夏に暑い部屋へ置いておけば発酵は均一に進みます。
仕込み後にやることは、夏までは人が快適に思う温度の部屋(リビングなど)に置いておくことと、梅雨が明けたら普段エアコンをつけない暑い部屋に移すことだけですので、全く手間がかかりません。
仕込み方法を紹介しているサイトはたくさんありますので、詳細は検索してみてください。
今年は茹でた後の大豆が3kgほどになり、アメは250g入れたので、合計で4.8kgほどになりました。
材料費は約2500円程度でしたので、できる味噌󠄀は750gパック換算で390円くらいでしょうか。
スーパーで買うと一般的な味噌󠄀で750gパックが350円くらいですので、だいたい同じか少し高い程度。
もっと普通の大豆を使えば安くなるでしょう。
ただ、手頃な味噌󠄀の多くは店頭で発酵が進まないように止めてしまっているので、あるお味噌󠄀屋さんの話では「『味噌󠄀の味がする調味料』のようなもので、発酵食品とは言えないですよね」とのこと。
そう言われると、ちょっとドキッとしますね。
夏が終わってから開けてみるのが楽しみです。
味噌󠄀造りは生活の中でほんのささやかなものではありますが、今や毎年なくてはならない行事になっています。
たくさんの方が手前味噌󠄀を作っていますが、もしまだでしたら、この最適な時期にぜひ仕込んでみてください。
食べてみると、たぶんおいしくてびっくりしますよ。
完成したものを買って手に入れる幸せとはちょっと違う豊かさを感じられるかと思います。
仕込んでいるシーンを自分史動画に入れて、映像で残してはいかがでしょうか。
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吉川 友清
一分一厘舎代表。
映像作家、終活ライフケアプランナー・防災士・援農ボランティア。
2021年3月より自分史動画・終活動画制作専門の「My History Video」サービスを提供中。
制作・撮影・編集ほか、事業全般を担当している。