自分史動画のワンシーン(5) 料理しているシーンを撮影します 

お袋の味・肉じゃが

 当舎の自分史動画に入れるシーンは人生を振り返るインタビューだけでなく、他にも「その方らしさ」が出ているさまざまなシーンを入れることができます。
その例をひとつずつ取り上げてご紹介するシリーズの第5回、今回は男性・女性を問わず、料理をしている方へのご提案です。

 ご自身が料理しているシーンや、出来上がった料理を食べているシーンを撮影してドキュメンタリー・ムービーにします。ご家族が食べるシーン、自分で食べるシーン。設定はご要望次第です。

 趣味でしているこだわりの料理、ご家庭の毎日の献立を考えるのにも苦労しつつ作っている日常料理、料理と言っていいのかあやしい簡単料理、何でも構いません。
どんな料理をどんな思いで作っているか、そこにその人らしさが出てくるからです。
ご家族が食べる場合は、ご家族のコメントにも作った方らしさが現れてきます。


 まず『ご家族のために作る日常料理』について考えてみます。
よくある「お袋の味ランキング」を見ると、どれもだいたい同じメニューが上位に並びます。
肉じゃが(煮物)、カレー、味噌汁、卵焼き、鶏の唐揚・・・。
これらはいずれも豪華料理ではなく、作るのも難しくない日常料理ですね。
にもかかわらず、長年繰り返して食べてきた家族にしてみれば、やはりお母さんが作るものは特別。
そしておそらくご家庭ごとに、アンケート上位には出て来ない、そのご家庭の好評料理もあるでしょう。
また、ご夫婦だけのご家庭や男性が毎日料理しているご家庭など、家庭の形や料理している人もさまざまですね。

 ご家族がその料理をどう思っているかも重要なシーンになります。
同じメニューでも、お店や他の人が作ったものを食べるのとはどう違うのか。
カレーなどは専門店のほうが味が際立っているものですが、お母さんのカレーをおいしいと思うのはなぜか。
しょうゆ等の調味料を目分量で大雑把に入れているのに、いつも同じようにおいしいのは不思議だ。
そういったことを改めて考えてみてもらうと、おもしろいコメントが出てくると思います。

母の料理

 一方、作っているご本人のほうは普段何を思っているのでしょうか。
長年作っていると材料の用意や味付けの配合をいちいち思い出すこともなく、ほとんど無意識に作っていると思います。
しかし、簡単に作っているように見えて実は大事なひと工夫をしているとか、「もっと頑張って作っている料理もあるのに、どうしてこれ?」と思っていたり、「毎日食事を用意するだけで精いっぱい。細かいことは気にしてません」とか、改めて話していただくとご家族も聞いたことがない本音が聞けるかも知れません。
また、使い込んだ調理器具類をいくつか選んで説明していただければ、昔の思い出やその器具を気に入っている理由など、普段聞けない話も出てきそうです。
台所仕事も人生の中で重要な部分のひとつですので、そこにもお母さんの人生が垣間見えます。
ご家族にとってはお母さんが台所に立っている姿自体が宝物かも知れません。

 次に『趣味で作っている料理』についてです。
そのひとつ、「男の料理」と言われるものには、お母さんが家族の毎日の食事を作るのとは違って「好きな食べ物を好きな時に作っている」という非日常的な部分もありますね。
酒のおつまみ、キャンプ料理や燻製、豪快なガッツリ系料理、釣魚料理、出身地の料理など、人によっていろいろです。
男性が自分で食べたくて作るのが出発点で、うまく出来るようになったら次は他の人にも食べてほしい、という順番でしょうか。
試行錯誤して身につけた調理のコツとかウンチクなど、話したいことはいろいろあるでしょう。
一方、食べるほうの家族はどう思っているでしょうか。もしかしたら奥さんは「自分が作りたい時だけ作って、ドヤ顔されても・・・」などと思っているかも知れません(これは実話です)。そんな本音も笑い話になりますね

 女性も非日常的なご馳走料理を凝って作ったり、スイーツ・デザート・おやつ作りを楽しんでいると思います。
奮発して高い食材を買ったときは「失敗しないかな」とドキドキしながら作ったり、甘いものは微妙な甘さ加減をお好みで調整したり、いろんなことを考えて作っているのではないでしょうか。それらの一つひとつが、その人らしさです。
甘いものは食べた人が「おいしい!」と言いやすく、作る人も「ヨッシャー!」と手ごたえがあって、いっそう作り甲斐があるのかも知れませんね。

 そして『自分ひとりのために作る料理』についてです。
一人暮らしや家族が全員出かけている場合の食事は自分のお腹だけを満たせればいいので、他の人を気にして作る必要がなく、そこにはその人らしい考え方がよく現れます。
手間を掛けない手抜き料理か、人には見せにくい「あり合わせ」の料理か、栄養のバランスは考えないか、一人分でもきちんと料理するか、むしろ趣味的に凝って料理を楽しんでいるか、人によって本当にさまざまですよね。
食事は日々の生活で一番ベースになる部分ですので、それらの料理シーンを動画に入れるとお人柄が伝わります。


 ご家族がいる場合、どの料理にするかはご家族に選んでいただくことをお勧めします。ご家族が最も食べたい料理、作る方らしさがよく出ている料理、記憶に残したい料理を選ぶと思うからです。


 「台所が古いし、片付いていないので恥ずかしい」と思わないでください。
TVのドキュメンタリー番組やニュースでも、よく生活感いっぱいの古いお宅の台所が普段のままで写っていて、全国放送されています。
ですのでご本人が気にするほど、映像を見る人は気にしていないと思います。
ましてや、自分史動画は全国放送されません(笑)。
それにご家族からすれば、あまりきれいになっていると逆に違和感があるかも知れません。
もし気になるようでしたら、撮影前に少しだけ片づけていただいても構いませんし、「ここは撮らないで」というご希望がありましたらできるだけ避けて撮影しますので、どうぞご安心ください。


 いかがでしょうか。
料理は多くの人が生活のためにしていることですが、個性やその人らしさが出やすいものでもありますので、動画に入れる材料のひとつとしてぜひお勧めしたいと思います。


 なお、自分史動画としてではなく、とっておきの料理を作って食べているところだけを動画にしたいとご希望されるときも、別途ご相談ください。
自分史動画の制作プランに準じた内容で検討させていただきます。