終活世代の健康趣味・街道歩き 第9回:町田街道・浜街道・絹の道
終活を始める年令に決まりはありませんが、定年後から80歳過ぎくらいまでのお歳でまだまだ元気な方々をあえて終活世代と呼ぶなら、その皆さまの健康維持に最適な趣味のひとつが街道歩きではないかと思います。
一人でもふらっと日帰りのお出かけができて、電車賃程度の出費で済み、まとまった距離を歩いて足腰を鍛えられ、単発ではなく何回かの連続企画となる趣味。
そのような街道歩きはまさに最強の趣味ではないでしょうか。
このシリーズでは、関東・甲信で日帰り可能な範囲の街道歩き情報を何回かに分けてお届けします。
(当舎の所在地が神奈川県のため関東・甲信の情報となりますことをご容赦ください)
第9回は町田街道・浜街道・絹の道です。
ここでいう町田街道・浜街道・絹の道は、八王子・八日町交差点の甲州街道との追分から横浜・山下町のシルクセンターまで、45kmの区間です。
町田街道は八王子から国道246号(厚木街道)と接続する町田市辻交差点までで終わりますので、本来、全区間をカバーする名称としては浜街道または絹の道です。
しかしその名称ではどこにある道かが分からないため、町田街道・浜街道・絹の道としています。
歩行地図は個人サイトの歩行記を検索すれば入手できると思います。
八王子から小高い山の鑓水峠を越えて町田まで
この街道の特徴はシンプルです。
45kmという短い行程であること、八王子から横浜まで基本的にはずっと緩い下り坂の地形であることです。
そのため八王子から横浜へ向かって歩けば約半日×2回で歩けて非常にラクですので、初めて街道歩きをする方にもうってつけのコースです。
沿線は八王子市・町田市・横浜市という都市部ですので景色はほとんどが住宅地か商業地で、のどかな田園風景はありません。
八王子駅北口から1km弱歩いてスタート地点の八日町交差点(甲州街道との追分)へ。ここから南下を始めます。
JR中央線、京王高尾線、JR横浜線を順に越えていくと小高い山に鑓水(やりみず)峠があり、その南側に八王子市鑓水という地域が広がっています。
ここにいた鑓水商人が古くから生糸の商いに精通していたこともあり、安政6(1859)年に横浜港が開港して外国貿易が始まると、群馬・長野・山梨等の生産地から生糸が八王子に集められて横浜港まで運ばれました。そのために使われたのがこの街道です。
鑓水峠を越えて坂道を少し下りたところに八王子市の施設「絹の道資料館」があります。
鑓水商人の屋敷跡地だそうで、建物が復元して作られています。
鑓水を過ぎると京王相模原線の多摩境駅周辺に出ます。ここはもう町田市です。
小山町で直線化・拡幅された現在の町田街道に合流しますが、ところどころに狭いクネクネ道の旧街道が残っていて出たり入ったりします。
旧街道には麹屋あり。ここにも明治時代創業の井上糀店という手造りの糀・味噌の店があります。おいしい甘酒スムージーを飲んで休憩。
常盤・忠生・木曽・森野の住宅商業地を通り、小田急線町田駅前に到着です。
踏切を渡ってすぐのカリヨン広場に絹の道の石碑があります(上の写真)。
町田から横浜・山下町まで
町田駅前の繁華街を抜けて金森・小川・南町田と進むと国道246号に差し掛かり、町田市辻交差点。ここで町田街道は終わります。
そのまま直進すると東名横浜町田ICにぶつかります。
旧道がICのために途切れているので、現在歩ける道を通って迂回すると国道16号線に合流します。
以後は16号(16号バイパスではなく旧16号のほう)と付いたり離れたりしながら、横浜・高島町の16号終点までは並行して進むことになります。
地図を見ると旧16号は浜街道を基にして直線化・拡幅した道路であることが分かります。
上川井・都岡・鶴ヶ峰と進み、以後相鉄本線と並行するように天王町付近まで来て旧東海道と合流し、横浜駅方向へ折れて戸部警察署の角で高島町方面へ曲がります。
高島町からJRと並行する道を進み、関内駅の先で線路をくぐって、ベイスターズ通り、本町通り、大さん橋入口交差点を経て、終点のシルクセンターへ到着です。
シルクセンターの場所は山下町1番地。横浜開港100周年事業で1959年に建設されました。
過去には英一番館があったという由緒ある地だそうです。
ビル内には以前、横浜生糸取引所があったとのことですが、1998年に前橋乾繭取引所と合併して横浜商品取引所となり、さらに2006年東京穀物商品取引所に合併されました。
ビル内にシルク博物館があります。戦前までは生糸が日本の輸出品目で取引額一位だったとのこと。
明治22(1889)年に甲武鉄道(今のJR中央線)が八王子まで開通し、明治41(1908)年に横浜鉄道(今のJR横浜線)が東神奈川から八王子まで開通すると、この街道は生糸の運搬ルートとしての役目を終えます。
実際に歩いてみて驚いたのは、緩い下り坂のおかげで、八王子から町田まで、町田から山下町までがそれぞれ半日程度で歩けてしまうということです。
もし脚力があれば、朝早く八王子を出ると夕方には山下町まで着きそうな勢いです。
このようなことが実感できて、貴重な体験になりました。
自分史動画や終活の動画に街道歩きの様子を入れるのもいいと思いませんか。ご希望の際は、可能な限り同行撮影させていただきます。
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吉川 友清
一分一厘舎代表。
映像作家、終活ライフケアプランナー・防災士・援農ボランティア。
2021年3月より自分史動画・終活動画制作専門の「My History Video」サービスを提供中。
制作・撮影・編集ほか、事業全般を担当している。