自分史動画のワンシーン(9) 長年住んだ家の中の思い出を動画に 

家並み

 年末になると家の中を大掃除したり、少しだけでも整理してきれいにしたいと思う方も多いかと思います。
家の中を片づけていると、思いがけないものを発見して昔の懐かしい思い出が蘇り、捨てるかどうか迷ってしまうこともありますよね。

 長年暮らしてきた家の中の思い出を語っていただき、自分史動画・終活の動画に入れませんか。
 
 当舎の自分史動画に入れるシーンは人生を振り返るインタビューだけでなく、他にも「その方らしさ」が出ているさまざまなシーンを入れることができます。
シーンの例をひとつずつ取り上げてご紹介するシリーズの第9回、今回は家の中にある大切な思い出の話を入れるというご提案です。

 年齢を重ねていっても、長い間住んできた家にこの先もできるだけ住み続けたいという人は多いですね。
家に関する思いは、内閣府の「平成30年度 高齢者の住宅と生活環境に関する調査」にも表れています。
この調査によると、高齢者の場合、現在の住まいの居住年数で最も多いのは「31年以上」で実に51.1%です。
住まいに関して不安に感じていることは、「虚弱化したときの住居の構造」が27.3%で最も多く、次いで「世話をしてくれる人の存在」が23.0%、「住宅の修繕費等必要な経費を払えなくなる」が22.8%等となっています。
虚弱化した時に住みたいところは、「そのまま住み続けたい」と「改修し住みやすくする」を合わせた”今の家に住み続けたい”人が56.1%で、「特別養護老人ホーム」「サービス付き高齢者住宅」「介護付き有料老人ホーム」の施設へ入居したい人が45.0%、「子や親族などの家に移って世話をしてもらう」が7.9%等となっています。

 一方、今後のことを考えて住み替えする方もおられますね。
三井不動産リアルティが三井のリハウスを通じて住み替えた首都圏在住者に実施した調査では、65歳以上の方の住み替え理由は「自身の高齢化による将来に対しての不安」が最も多く24.4%、次いで「子どもや孫との同居・近居」が20.0%、「バリアフリーの設備が整った住まいへの住み替え」が19.3%の順です。また、住み替え先の立地は、駅・総合病院・役所・商業施設等が近いところを選ぶ方が多くなっています。

 マンション等に住み替える場合は、用事に行きやすい立地、居住スペースのダウンサイジング、バリアフリー化、お子さん世帯との近居等をポイントにする方が多いようです。

家の玄関

 長年暮らしてきた家の中には、いろんな場所にいろんな思い出があるでしょう。
リビング、台所、玄関、収納スペース、お風呂、トイレ、寝室、子供部屋、ベランダ、お庭、外構部分、家財道具・雑貨・日用品・・・。
ご家族と暮らして来られた方は、配偶者やお子さん、同居の親御さんとの思い出も。

 「思い出は頭の中に残っている」と思っても、家の中にどんなものがあったか、その細かい部分の正確な形・姿までは脳裏に焼き付いていないですよね。
家財道具は買い直したり廃棄して次第に無くなってしまうものですし、リフォームすれば家の中の様子も変わってしまいます。
住み替えをすれば、長年住んだ家から離れてしまいます。細かいところまではとても覚えていられません。

 そうした家の中のディティールを、映像で残しておきませんか。

 頭の中から細かい記憶がだんだん失われた後でも、動画を見返せばすぐに、以前の様子が思い出と一緒に蘇ってくると思います。

 売却や取り壊しで家を手放す場合は、家財道具がまだ残っているときに撮影するのが良いと思います。
引越が終わって掃除した後のガランとした家の中は生活感が感じられず、そうした映像を後で見ても、どこにどんなものが置いてあったか、細かい部分まで正確に思い出すことができなくなります。

 当面住み替えの予定がない場合でも、何年先にどうなるかは分からない部分もありますので、どこかで一度映像を残しておくと良いのではないでしょうか。

 撮影内容は、その家を購入したきっかけ、住み始めた当時の思い出、これまで家の中であった出来事、ご家族との思い出、修理やリフォームしたこと、今の暮らしぶり、今後の生活のこと等、たくさんの話題の中からお話を伺ってまいります。
普段あまり振り返ることがないことかも知れませんが、一度思い起こしていただくといろんな思い出が蘇ってくるのではないでしょうか。

 家は生活の場そのものですので、その思い出からも人生の歩みが見えて来ますし、「その方らしさ」もたくさん伝わってきます。
自分史動画・終活の動画のワンシーンとしてとても良い題材のひとつですので、ぜひ入れてみては如何でしょうか。