自分史動画・終活の動画を自分で撮影・編集するときのポイント

ご自身の人生を振り返る自分史動画・終活の動画の制作を当舎のような専門業者に委託すると料金が発生しますので、お金をかけずにスマホを使って自分で作りたいという方もおられるでしょう。
そこで今回は、ふだん撮影や編集をしていない初心者の方向けに、スマホで最小限の内容を無料でできるだけ簡単に作るためのポイントをお伝えしたいと思います。
1.構成の検討
まず、この動画を誰に見てもらうのかを想定して、それに沿った構成を考えていきます。
視聴者はご家族、それともご友人?終活動画の場合は、ご自身のお葬式のときに上映したいという方もおられるでしょう。
視聴者がご家族なら動画の内容は比較的オープンで良いのですが、ご友人やお葬式の参列者となると、ご自身のプライバシーをどこまで開示するかを考慮しておく必要があります。
オーソドックスでシンプルな構成は、折々の写真を10-20枚ほど選んで、その写真の内容を紹介しながら人生の歩みをご自身で話すというものです。
子ども時代から振り返るのでしたら子どもの時の写真から必要ですし、学生時代からにするか社会に出てからにするか、振り返る時期を決定して写真を選びます。
人生の中で大きなできごとや、節目になった経験を思い出し、それらについて何を話すか考えます。
専門業者に委託する場合は相手のインタビューに答えれば良いのですが、ご自身で撮影する場合は、編集の際の手間を削減するため撮影した内容をできるだけカットせずそのまま使えるように話すのが望ましいです。そのためには話す内容をまず原稿に書き出して、撮影前に覚えておくのが良いでしょう。原稿の棒読みは視聴者に丸分かりになりますので避けましょう。
人生の振り返り以外に入れたい内容があるかどうかも検討します。例えばご家族向けならご家族だけに伝えたいお気持ちやビデオで残しておきたいお話、お葬式で上映するなら参列者への御礼ご挨拶などです。今後の人生でしたいことや、これからはどんな風に生きていきたいかを宣言するのも良いと思います。
2.撮影
スマホで自撮りする場合は、ご自身が写るようにカメラを切り替えるのは当然ですが、その他のポイントとしては最低限次のようなものがあります。
①スマホを顔の高さにする
数人で撮影するときはよくスマホを上のほうにあげて見上げるように撮影しますが、一人のときの基本は顔の高さです。
②カメラ目線で撮影したい場合はスマホの真ん中ではなくカメラが付いているところを見ながら話す
スマホの画面がモニターになっているのでついつい真ん中を見てしまいますが、それで撮影すると顔が斜め横に向いた形で写ります。
別の人がインタビューするときはその角度のほうが良いのですが、自撮りの場合、視聴者に直接語りかけているシーンで横を向いていると違和感が出てしまいます。
カメラ目線にするためには、スマホの端についているカメラの穴のほうを見続けながら話す必要があります。
これがとても難しくて、すぐに画面の真ん中を見てしまうので、必要ならば練習しておきましょう。
③スマホを何かに置いて固定する
短時間の撮影ならともかく、スマホをずっと手に持ち続けていると疲れてきますし、位置が動いてしまうので、できればスマホを何かに立てかけて固定するのが良いでしょう。
もちろん、スマホ用の簡易型三脚を買えばよいのですが、継続して使う機会がなければ無料で済ませるため家にあるものを代用して設置しましょう。倒れて来ないようにご注意ください。
④静かな場所を確保する
スマホの内蔵マイクはあまり性能が良くありません。そのため、自分の声がクリアに聞こえるようにするには、他の余計な音が入らないようにする必要があります。
家の中で物音がしないように静かな時間帯を選んだり、テレビはもちろんのこと、エアコン・扇風機・換気扇なども音が出ますので、近くにあるときはスイッチを切りましょう。
⑤撮影するごとに体や顔の位置が変わらないようにする
ワンカットで全てを写すのは困難ですので、ショットを何回かに分けて撮影することになりますが、そのたびに体や顔の位置・大きさがバラバラにならないようにする必要があります。
椅子を置いて座るなどして、同じ場所で写るようにしましょう。
⑥顔に照明の光があたる場所を選ぶ
家の中でも照明の光が当たって明るい所と暗い所がありますし、窓や照明器具が自分よりも後にあるときなど、うっかりすると周囲よりも顔が暗く写りますので、撮影する場所を慎重に選びましょう。
⑦撮影許諾が取れないものは撮影しない
家の中でご自身を撮影するだけなら問題ないのですが、撮影を他の場所で行う場合は、他の人が写ってしまって問題になったり、お店の中など撮影を禁止している場所で撮影しようとして中止を求められることもありますので、注意しましょう。
3.編集
プロ向けの編集ソフトは高額であるうえに、機能が多すぎて熟練しないと使いこなせないと思いますので、無料アプリの映像編集ソフトをダウンロードしましょう。
アプリは何種類もありますので、評判の良いものや比較サイトの情報を調べて選んでください。
使える機能や使い方はアプリによってさまざまですので、ここではポイントだけを書きたいと思います。
①ショットを編集順に並べる
撮影したショットをあらかじめ考えた構成に沿って順番に並べます。写真を入れる場合は一緒に並べます。
なお、写真をトリミングなど加工して使いたい場合は先に行っておきます。
②不要な部分をカットして使いたい部分だけを残す
不要な部分を切り取り、必要なカットだけを取り出してつなぎます。②のあとで①を行う場合もあります。
③タイトルとテロップを作る
タイトル(表題)とテロップをつけます。アプリごとにいろいろと凝ったテンプレートがあると思いますので、お好きなものを使ってください。
④BGMを入れる
BGMを入れると雰囲気がだいぶ良くなりますので、ぜひ入れましょう。
決められた曲しか選べないアプリも多いようですが、好きな曲を入れられるものもあります。
ただしプロアーティストの曲は著作権がついていて無断使用できません。著作権フリーの無料BGMをネットでさがしてダウンロードしてください。
なお、無料で使用可能であってもクレジット(作曲者名・曲名など)の記載が必要なサイトもありますので、必ずサイトの利用規約を一読してその内容に従ってください。
⑤音量を調整する
声とBGMの音量を調整します。声は聞き取りやすい大きさで。またBGMは音量を大きくしてしまいがちですので、注意して声とのバランスをとってください。
⑥画像の色合いや音声ノイズ軽減等が調整できる場合は調整する
これらはアプリに入っている機能次第ですので、どんな機能が使えるかをひととおり理解したうえで、使えるものは使って、できるだけクオリティを上げましょう。
プロの専門業者は高機能のカメラや各種撮影機材と高度な編集ソフトを使い、これらよりも格段に高度で多くの撮影作業・編集作業をしていますが、初心者の方は上に書いたことが最低限行いたい内容です。
スマホのカメラも高性能になってきましたので、撮影テクニック・編集テクニックを磨けばスマホでもある程度良いものが作れるようになりました。
とはいえ、自分で自分を撮影するとなると、なかなか思うように撮影できずにもどかしくもなりますし、画角が固定されて同じような映像ばかりになりがちです。
慣れてくればスムーズにできるようになり、画角などいろいろ工夫するアイデアも思いつくでしょうから、やはり何度かやってみる必要があると思います。