自分史ビデオのワンシーン(17) 「魚は切り身や開きの姿で泳いでると思っている子ども」に私たちが教えられること

そういう子どもがいるという話はご存知の方も多いですよね。このことが言われ始めてから10年以上経ちました。「それは都市伝説だ」とか「そんな子は見たことがない」と言う人もいる一方で、実際にそういう子どもに接している人は今でもいるようです。
「切り身で泳いでいる」と思っている子だけでなく、食べる魚は切り身・刺身・寿司・干物の姿でしか知らなくて、水族館で見るような魚1本(丸魚)がどうやってさばかれ、食べる形に切り分けられていくのかを見たことがない子、つまり「生きている魚」と「切り身や刺身になった姿」が頭の中でつながっていない子はずっと多いようです。塩鮭しか見たことがない子は、鮭という魚がそれとあまり変わらない大きさにしかイメージできなかったりするともいいます。
もちろんそれは、丸魚を買ってきて自分でさばいて調理するお家が激減したことが大きな理由でしょう。
そもそも魚を食べる人が減っています。家で料理をしないで惣菜を買う人も大幅に増えました。家族がバラバラの時間帯に違う食事を食べているお家も増えています。
魚を料理して食べようとすると、魚焼きグリルの網を洗うのが大変苦痛ですし、丸魚をさばくのに慣れていなかったり、頭や骨など臭い生ゴミの収集日が翌日でなかったりして、ハードルが高く感じる人は多いですね。
釣りをする家族でもいれば魚に慣れていますが、そうでないお家は肉を食べたほうが何かと楽です。
大型スーパーなどで魚屋のように丸魚を陳列販売していて、頼めばさばいて渡してくれるという売り場が、この10年くらいの間に増えて品ぞろえも充実してきました。そういうところへ子どもを連れて行けば、三枚おろしを頼むと二枚になって渡されるとか、貴重な食育ができますね。
以前、TVで丸魚の「そのまま渡し」をしている魚屋さんを紹介していました。なかなか見ることができない珍しい魚も含めて標本のようにいろんな丸魚が陳列されていて、「魚食え、コノヤロー!」とコワモテで言うステキな店主さんとともに、子どもにも大人気のお店だそうです。
保育園でも丸魚の解体ショーつき調理実演を見せる取り組みをしているところがあります。はじめのうちはエラから出ている血を不気味がったり、頭を落とすシーンを残酷でかわいそうと思ったりしながら見ていた子どもが、切り身になると「おいしそう!」と思い、最後はできあがった魚料理を食べて「おいしい!」と言う。本当に大事な教育をされていると思います。
こうした機会が身近にあればいいのですが、そうではない地域に暮らしている方のほうが多いですよね。
TV番組においても、魚の血が見えているシーンや頭を落とすシーンなどは視聴者から「残酷だ」とクレームをうける恐れがあり、あらかじめカットされてしまうことがあると聞きます。それらは普通の生活における当たり前のシーンですので、私は見せて問題があるとは思いませんが、どんどんそういう時代になっているのが現実です。とても残念ですし、本当に深刻な問題でもあります。
このような世の中ですので、子どもの身近にいて丸魚をさばいて料理できる人が教えてあげることが必要です。
長年料理してきたおばあちゃんや釣りが趣味のおじいちゃんがいらっしゃれば、恰好の出番です!お孫さんが遊びに来たときに丸魚を用意しておき、さばいて料理するところを見せてあげて、そのあとで食べさせてあげてはいかがでしょうか。さばくのを見たことがないお孫さんなら、一目瞭然で多くのことを学ぶでしょう。
こういうことも、世代から世代へ受け継いでいくべき大切なことだと思うのです。
もし私がその場に居合わせたら、カメラを回したいですね。お孫さんとのやりとりを含めて、きっと楽しくて貴重なシーンが撮れると思います。
自分史ムービーに入れてはいかがでしょうか。当舎にぜひ一度ご相談ください。どんな風に進めるか、アイデアを出し合ってみましょう。
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