「自分史を終活動画で残す」――断捨離だけじゃない、新しい終活のかたち

はじめに
「終活」と聞くと、断捨離、相続、お墓の準備など、“死ぬ前の身辺整理”というイメージを抱く方が多いのではないでしょうか。
けれども、終活を「生きている間にしておきたいこと」と捉え直せば、その可能性はぐっと広がります。
たとえば、写真や終活動画(終活で作成する自分史動画)で「自分が生きた証し」を残すことも、立派な終活のひとつです。
今回は、近年の話題をもとに、「これからの終活」についてご一緒に考えてみたいと思います。
泉ピン子さんの『終活やーめた』が問いかけるもの
やめたのは“断捨離”だった
泉ピン子さんの著書『終活やーめた。 元祖バッシングの女王の「ピンチを福に転じる」思考法』(2025年3月・講談社)を読むと、やめた終活とは「断捨離」のことだと分かります。
彼女がかつて買い集めたエルメスなどのブランド品を処分し始めたところ、「欲しい」と希望する声が殺到。
それに疲れてしまい、断捨離に煩わされるよりもこれからの時間を大切に過ごしたい、と考え方が変わったそうです。
“今を大切にする”ことも、終活のひとつ
泉さんは「終活=断捨離」ととらえているようですが、実際には終活の形は人それぞれです。
残りの人生を大切に過ごす――それ自体もまた、ひとつの終活です。
つまり、本来この話は「終活をやめた」のではなく、「終活の内容が変わった」ということではないでしょうか。
ここで注目したいのは、「終活=断捨離」という考え方を、世間の多くの人があまり違和感なく受け入れている点です。
これは、終活という言葉の定義やその活動の範囲がまだはっきりと定まっていないことの表れとも言えるでしょう。
断捨離とは何か
「断捨離」が流行したきっかけ
「断捨離」という言葉は、もともとヨガの行法である「断行」「捨行」「離行」を基にした造語として、以前からあったようです。
広く知られるようになったのは、やましたひでこ氏の著書『新・片づけ術「断捨離」』(2009年・マガジンハウス)がきっかけと言われています。
2010年には流行語にもなりました。
この本では、「不要なモノを断ち(断)、捨てて(捨)、執着から離れる(離)」ことが提唱されています。
単なる片づけではなく、心と暮らしのあり方を見直すライフスタイルとして紹介されています。
断捨離の本当の目的
断捨離の目的は、単にモノを減らして身軽になることではありません。
これからの人生を見つめ直し、本当に必要なモノやコトを選んで大切にする。
「残りの人生の有意義な過ごし方を考えること」――それが断捨離の本質です。
変わりゆく“終活”の意識
雑誌『ハルメク』の調査から
2025年3月、「ハルメク 生きかた上手研究所」が『終活に関する意識・実態調査2025』を発表しました。
それによると、終活として行った内容で前回調査よりも増加していたのは、「年賀状じまい」「墓じまい」など。
一方で、「お墓の準備」「資産運用」「保険の見直し」などは減少していました。
「年賀状じまい」は前回調査までは出ていなかったものですが、今回の調査では最も多く実施された項目でした。
2025年の年賀はがきの大幅値上げ(63円→85円)が影響したと見られます。
また、「墓じまい」は近年はTVなどでも取り上げられて話題になっています。
お墓が遠方にあったり子孫が将来絶えてしまったりで面倒を見れなくなることへの対処として注目されています。
同研究所長の梅津順江氏は、こうした傾向を「“手放す終活” の広がりが顕著」と分析しています。
「終活」と見なされる活動とは
この調査結果で世間が「終活」だと意識しているのは、
- 金融口座・金融商品の整理
- 不用品の処分
- SNSやPCデータの消去
- エンディングノートの記入
- アルバムや手紙の整理
など、「身辺整理」や「情報の引き継ぎ」に関するものが中心です。
その意味で、現在の終活はまだ「片づけ」の色合いが濃いと言えるでしょう。
これからの終活――“自分の人生を形にして残す”という選択
ここからが本稿の本題です。
終活とは、本来「生きている間にしておきたいこと」。
そう考えると、「自分の生きた証しを形にして残すこと」も、立派な終活になります。
亡くなったあと、自分の人生を誰かが正確に語ることはできません。
日々の喜びや苦しみ、思い、努力――そうした「生きた証し」は、ご自身で記録しておかなければ、やがて誰の記憶からも消えてしまいます。
でも、それを残しておく手段はあります。
写真や動画で、自分史を形にしておくことです。
写真や終活動画で残す自分の人生
写真のベストアルバムの作成
「アルバムの整理」は終活のひとつとして知られていますが、目的が「捨てること」になってしまいがちです。
そこでおすすめしたいのは、残すための写真整理です。
大切な写真を20〜30枚ほど厳選し、それぞれに何が起こったのかという当時の状況や、そのときの思い・気持ちを書き添えていく――。
そうすれば、人生の物語が一冊のベストアルバムとしてまとまります。
完成したアルバムは見返すたびに温かい気持ちになれ、ご家族にとっても大切な宝物になるでしょう。
使用する写真アルバムはどんな体裁のものが良いか等、詳しい方法は当舎の以下の記事をご覧ください。
『古い写真から数十枚選んでベストアルバムを作りスッキリする』
終活動画(終活で作成する自分史動画)の作成
写真では伝えきれないもの――それは、生きて動いている姿や声、話したり笑ったりする様子、その方らしいしぐさや癖です。動画ならこれらをまるごと残せます。
また、人生の大事な出来事について写真を撮っていないことも多いもの。
でも、写真がない大切なエピソードは、動画でお話しいただいて撮影すれば記録できます。
最近ではスマホで簡単に動画が撮れますが、断片的なシーンの映像をつなぎ合わせるだけでは、なかなか納得のいく動画にはなりません。
構成、撮影、編集――それぞれに専門的で高度な知識と膨大な労力が必要です。
当舎のような制作業者は、そうした終活動画の制作を専門としています。
事前に構成を設計し、撮影時点から編集を見据えるため、完成動画のクオリティには大きな差が出ます。(まさに“餅は餅屋”です)
そしてもちろん、料金が高額すぎて手が届かないのでは意味がありません。
当舎では「高品質×安心価格」「料金の明朗な事前提示」を基本に、多くの方にご利用いただけるプランを提供しています。
詳細は『プランと料金』ページをご覧ください。
おわりに
これまで見てきたように、終活の範囲は今のところ明確には定まっていませんが、終活を「生きている間にしておきたいこと」と読み換えれば、もっと幅が広く、もっと豊かな活動として考えることもできます。
そして、「自分が生きた証しを形にして残すこと」もひとつの大事な終活です。
おすすめする方法は、写真や終活動画で人生のストーリーを記録することです。
終活動画や自分史動画は、まだ多くの方に認知されていないかも知れません。
それでも、実際にお作りいただいて、その大切さを実感したお客様からは「作ってみて良かった」「作るのと作らないのとでは大違い」とのお声をいただいております。
人生をきれいに締めくくるための活動も大切ですが、「死後に何を残すか」という視点で考えてみるのも、充実した終活の一歩です。
何十年もの人生をひとつの形にまとめることで、「いろいろあったけど、それなりに幸せだったな」と、ご自身の人生を感慨深く振り返っていただけるでしょう。
そのお手伝いを当舎ができればありがたく思います。
実り多い終活を、心からお祈りしています。
主なページのごあんない
一分一厘舎 My History Video のサイトには自分史動画・終活で作る動画に関する多彩な情報が数多くありますので、タイトルをクリックしてご覧ください。
HOME
当サイト全般のご紹介、当舎が選ばれている理由、お勧めしたい皆さまなど、自分史動画や終活で作る動画の概要をまとめてあります。
当舎について
当舎の概要、自分史動画制作サービスを始めた理由、「一分一厘舎」の名前の由来、代表者についてのご説明をまとめてあります。
制作の流れ
最初にお問い合わせをいただいた後、どのような流れで制作を進めていくかについて詳しくご紹介しています。
プランと料金
各制作プランやオプションの内容と料金を詳しくご紹介しています。料金はいずれも安心価格ですので、ぜひ比較してみてください。
サンプル映像
実際に制作した作品のサンプル映像3本とそれぞれのお客様の声をご覧いただけます。当舎の映像クオリティをご確認ください。
よくある質問(FAQ)
多数のFAQを掲載していますので、ご質問や気になる点のQ&Aがないかどうかご確認ください。
関連情報
自分史動画作りに関するさまざまな角度からの情報ページが多数あり、そのメニューページです。自分史動画関係の情報量は随一です。
ウェブログ
自分史動画にも通じる各種話題の記事ページが多数あり、そのメニューページです。
お問い合わせ
当舎にお問い合わせいただける入力フォームのページです。こちらからお気軽にお問い合わせください。
プライバシーポリシー
お客様の大切なプライバシーを守るため、個人情報保護法に基づいて当舎が取り組んでいる内容を記載しています。

吉川 友清
一分一厘舎代表。
映像作家、終活ライフケアプランナー・防災士・援農ボランティア。
2021年3月より自分史動画・終活動画制作専門の「My History Video」サービスを提供中。
制作・撮影・編集ほか、事業全般を担当している。