自分史動画のワンシーン(14) お菓子の思い出を自分史動画で語って下さい 2.1940年代までに発売されたお菓子 

都こんぶ

 「お菓子の思い出を自分史動画で語って下さい」の第2回は、1940年代までに発売された、かなり古いお菓子を見ていきます。

 食べ物には自分だけの懐かしい思い出があったりしますよね。子どもの頃に食べていたお菓子もそう。
見るだけでもその時の記憶が鮮明に蘇る、大切な思い出のお菓子、黒歴史のお菓子(笑)、そうしたお菓子がいくつかあるのではないでしょうか。
そうしたお菓子にまつわる遠い昔のできごとを、自分史動画や終活で作る動画のワンシーンとして語ってはいかがでしょうか。

 主なお菓子を1940年代まで発売年順に振り返ってまいります。これらの中に思い出のお菓子はあるでしょうか。

明治32年(1899)
ミルクキャラメル 森永
  この年、森永の創業と同時にバラ売り・量り売りで始まりました。現在のような紙箱入りは大正3年(1914)の発売です。大人になって食べなくなったなぁ。

明治41年(1908)
サクマ式ドロップス 佐久間製菓(廃業)
  イギリスから輸入されていたドロップの国産化に初めて成功し、発売されました。私は白いハッカ味が苦手で、白が出てくると缶に戻していました(笑)。
  *佐久間製菓は、2023年1月20日に廃業となりました。

大正元年(1912)
都こんぶ 中野物産
  販路を駄菓子屋・紙芝居屋から駅の売店へ広げた際に縦型の赤い紙箱となったとのこと。昔は定番でしたが、親から子へ受け継いでいるかどうかは、よく分かりません。表面にまぶされた調味料の粉は「秘伝中の秘伝、“魔法の粉”」(同社webサイトより)だそうです(笑)。 今や百均では3個セットで売られていて「3つも要らないよ」と思うところですが、百均向けは入っている量が大幅に少ないのでさほど困りません。(下の写真は2枚だけ取り出した状態です)

都こんぶの中身

大正7年(1918)
ミルクチョコレート 森永
  板チョコのミルクチョコレートは明治・ロッテ(ガーナ)もありますが、最初に作ったのは森永だそうです。

大正9年(1920)
黒棒 クロボー製菓
  九州産小麦粉を焼き上げて少し斜めに切り、黒砂糖蜜をかけた久留米のお菓子。素朴な味です。

大正10年(1921)
カルミン(販売終了) 明治
  炭酸カルシウムを配合した白いミント錠を筒状に包装したもの。私は遠足に持って行くお菓子の定番でした。今でもありそうな気がしてしまいますが、2015年に販売終了

大正11年(1922)
グリコ 江崎グリコ
  両手をあげてゴールインする絵とキャラメルのハート型は最初から。当時の箱には「文化的滋養菓子」「滋養価・・・一粒三百米突」とあります。「米突=メートル」だそうです。

大正12年(1923)
マリービスケット 森永
  小学校に上がる前、私は狭い路地から飛び出し、出会い頭で横から来た自転車に「轢かれて」頭を怪我したことがあります。100%私が悪いのですが、轢いた男性は家まで送ってくれて、いったん立ち去った後にこのマリーや同じシリーズの森永ビスケットを数箱、お詫びに持って来てくれました。スーパーでこれを見るたび、痛い目に遭って猛反省したことを思い出す私の黒歴史です(笑)。当時の箱は今よりも細長くて、中身がビッシリ並んで入っていました。
黄金糖 黄金糖
  着色料・香料など食品添加物を一切使わず、砂糖と水飴だけで作っているそうです。それにしても見事な黄金色です今は百均でも買えますね。

大正13年(1924)
ボンタンアメ セイカ食品
  水飴・砂糖などの他にもち米が入っているそうです。セイカ食品は鹿児島の会社で、箱に「南国特産」と書かれています。レトロな絵の「兵六餅」のほうが古いかと思ったら、そちらは昭和6年(1931)発売だそうです。
柿の種 浪花屋製菓(➔2023.6.1阿部幸製菓へ事業譲渡され、その関連会社が引き継ぐ)
  柿の種は浪花屋が元祖。創業者の奥さんが小判型のあられ用金型を誤って踏みつぶしてしまい、この形になったのが始まりだそうです。大和柿・筆柿など細長い種の柿があり、その形にそっくりなことから命名されたとのこと。

昭和元年(1926)
ミルクチョコレート 明治
  森永から8年遅れて発売ロッテ(ガーナ)を含めた大手のミルクチョコレート3つを売上比較すると明治>ロッテ>森永の順、という調査結果もあります(日経POS情報 2020年1月)。

昭和2年(1927)
サイコロキャラメル 明治(現在は道南食品)
  明治のサイコロキャラメルは2016年に全国販売を終了し、函館工場が分社化した道南食品に移管されて、北海道限定販売の「北海道サイコロキャラメル」となりました。

昭和5年(1930)
鶯ボール 植垣米菓
  第1回「量り売りのお菓子」でも取り上げた鶯ボール。小さく切った餅に小麦粉をまぶしてなたね油で揚げ、砂糖・塩・水飴で味付けするという昔ながらのシンプルな材料・製法。茶色い部分は焦げた小麦粉の自然な色で、着色料・保存料などは使われていないそうです。

昭和8年(1933)
ビスコ 江崎グリコ
  「酵母を使ったビスケットなのでビスコ」だそうで、初期のパッケージには「酵母菓子」の文字も。今は「乳酸菌クリームサンド」と書かれていて、ただのビスケットではないということですね。災害備蓄用の長期保存食料にもなっていて、子どもの頃以来久しぶりに食べたという人もいるのではないでしょうか。

昭和9年(1934)
フランスキャラメル(販売終了) 不二家
  昔のフランス国旗の色なのでしょうか。濃い赤と、白、濃紺でカラーリングされ、女の子の顔が描かれた懐かしい紙箱を思い出す方も多いのでは?「そう言えば見なくなった」と思ったら、販売終了になっていました。近年、「西洋菓子舗 不二家」のみで復刻版の缶入りが限定販売されていたようです。こちらは今の国旗の色に近い赤と青が使われていました。

昭和10年(1935)
ハートチョコレート 不二家
  これも戦前から不二家が販売している古いお菓子です。昔は食べ応えのある大きさでしたが、今はひとくちサイズに大幅ダウンサイズされたものが売られています。

昭和22年(1947)
梅ジャム(販売終了) 梅の花本舗
  紙芝居のソースせんべいに塗るジャムとして発売されましたが、その後駄菓子屋や縁日の屋台で売られ、塗りものとしてではなくそのまま食べるスタイルになりました。製造を一人で行っていた社長さんの高齢化もあり、平成29年(2017)廃業となったのをニュースで知った方も多いかと思います。


 次回は1950年代に発売されたお菓子を見ていきます。

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