自分史動画のワンシーン(22) 子どもの頃のどんなエピソードを入れていくかのアイデアについて 

田んぼで遊んだという思い出もご家族にとっては貴重な昔話かも知れません

 自分史動画のワンシーン第22回。
今回は子どもの頃のどんなエピソードを入れるかについて、終活で作る動画の制作を通して当舎がお客様からお伺いした実話もご紹介しながら、いくつかのアイデアを書きたいと思います。

 自分史動画や・終活で作る動画において、人生を振り返る部分のお話の中で、子どもの頃の話は重要なもののひとつですね。
ご家族ができるずっと前の話ですので、自分が子どもの頃の思い出はご家族が知らないこと、自分の頭の中にだけある話であり、今とはだいぶ違った暮らしの中での楽しみや苦労をご家族に知っていただける機会にもなります。
ですので、子どもの頃の話を動画に入れれば、ご家族にとっては貴重な記録となります。

 そのひとつは「今の暮らしでは考えられない」というエピソードです。
特別な経験でなくても、子どもの頃のあなたがしていた生活で、今の時代とはだいぶ違う、という話です。
エピソードの具体例をいくつかあげてみます。

 あるお客様の話で、家の近くにある川がどのように変わってしまったかをお話しいただいたことがありました。
今では「都市部を流れるコンクリートでできた川」ですが、昔は両岸に草が茂ったせせらぎで、魚釣りをしたり泳いだりして遊んだといいます。
家の周辺が昔はどんな環境だったのか、今の姿しか知らないご家族には想像できないようなことが、あなたの頭の中に残っていないでしょうか。
それは貴重な話になりますし、郷土史そのものでもあります。

 子どもの頃に山の中の小屋で暮らしていたというお客様の話はサンプル映像にも出てきます。
小さい頃は家に電気が引かれておらず、しばらくして町に引っ越すまでは電灯というものを見たことがなかったといいます。
電気がない暮らしは、ご家族には想像できないことです。

 冬の田んぼで凧揚げをしたというお客様の話です。
いま都市部に残っている畑や田んぼの中には、周辺住民が野菜や果実を泥棒したり、子どもが田んぼで泥だらけになったという親が農家さんに「なぜ柵をしていないのか」と怒鳴り込んでくるところもあり、住民が農地に出入りするのをピリピリ警戒している農家さんもいるといいます。
家の近くに田んぼがたくさんあって、子どもが自由に出入りし凧揚げなどをして遊んでいたという話も、もはや都市部では考えられないことになっています。

 遠足での集合写真を自分史動画に入れたいというお客様がおられました。
男の子はみんな長い木の棒を持って立っています。話を聞くと「遠足での遊びは、現地調達した木の棒でチャンバラすることだった」といいます。
今は子どもが怪我をしたりすると先生が親から責任を問われてしまうので、遠足でチャンバラなどさせないでしょう。
子どもがヤンチャに遊んでいた時代も過去のものとなりました。

 これらのエピソードはどれも、お客様自身の子ども時代がよく分かる話です。
あなたもご自身の思い出がいくつか浮かんでくるのではないでしょうか。

 もうひとつは、あなたが子どもの頃にいつも見守ってくれた祖父母など、今のご家族が会ったことのない方々の話です。
これらの話も、よく自分史動画や終活で作る動画の定番ネタになっています。
サンプル映像にも一部出てきますのでご覧になってみてください。

 例えば祖父母の場合は、毎日何をして暮らしていたのかや、性格やお人柄など、ひと言で言えば「どんな方だったのか」という話、そして祖父母が自分にどう接して、どんなことを教えてくれたのかというような「あなたにとっての祖父母」の話は、ご家族にとってはルーツに関する話題、ファミリーヒストリーです。
お写真があれば、なお良いシーンになります。
そこに出てくる祖父母のお顔や性格、やっていた仕事などから、ご家族は自分と似ている部分をさがしたり、つながっていることを見つけたり、その方々のおかげで自分が存在していることに気づくことができます。
それによって、ご一家の絆がいっそう深まると思います。
あなたも、祖父母の大切な思い出をお持ちではないでしょうか。

 それらの話はご家族に直接話せば済むことかも知れませんが、ドキュメンタリー・ムービーとして映像で見せることで、「目の当たりにする」と言いますか、よりはっきりと伝わります。


 このように、「ご家族が知らないあなたの姿」が見えることは大変貴重ですので、それらの話をぜひ終活で作る動画に入れませんか。
きっと良い動画ができると思います。

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一分一厘舎代表。
映像作家、終活ライフケアプランナー・防災士・援農ボランティア。
2021年3月より自分史動画・終活動画制作専門の「My History Video」サービスを提供中。
制作・撮影・編集ほか、事業全般を担当している。