終活動画制作現場雑感(2) 写真を大事に撮って大事に保管することの尊さ 

写真を大事に撮影して大事に保存したい

 終活の動画や自分史動画の制作現場でふと感じたことをお伝えするシリーズの第2回。
今回は、終活の動画や自分史動画の制作にあたり、お客様の昔の写真を拝見して感じることについてです。

 先日、お客様のご自宅で約65年前の写真をスキャンさせていただきました。
ご自身が写った写真としては、現存する中で最も古いものだそうです。
終活の動画へ入れるため、ご兄弟がずっと大事に保管してきたものを借りたと仰っています。

 こういう昔の写真を拝見するたびに思うのは、当時、その写真を撮った方のことです。
昔は音声の録音も映像の録画も多くの一般市民にはできなかった時代ですので、写真は大事なものという感覚が今とは比較にならないくらいにあったと思います。
一枚の写真を大事に撮影して紙焼きし、アルバムにきちんと整理するのも当たり前で、写っている人には大事なものとして渡していました。
まるで、何十年も後で重要なものになることが分かっていたかのように。
そう考えると長い間保存してきたご本人やご家族だけでなく、「当時よくこれを撮影したなぁ」と尊さを感じ、撮影した方も賞賛したくなります。

 写真をもらった人が長い間大事に保管してきた結果、今、終活の動画に入れることができます。
当舎の終活の動画や自分史動画で撮影を行うプランにおいては、人生を振り返ってお話しいただいたことをインタビュー撮影し、そのお話の途中で関連する写真をインサートして、BGMをかぶせる箇所もあります。
そうすると写真に内容説明のお話と感情を表現するBGMが付け加わり、写真そのものがすごく引き立つことになります。

 それは写真単独でも、写真をスライドショーにしたものでも、スライドショーにBGMを付けたものでも、やはり叶いません。
インタビュー撮影を行って、お話を記録するタイプの終活の動画や自分史動画でしか成し得ない技であるといえます。


 写真の話に戻ります。
写真を昔のようにもう一度、大事なものとして扱おうではありませんか。

 今はスマホで簡単に撮影できます。
そのため「とりあえずたくさん撮っておき、気に入らなければ消去すればいい」と思うのが普通でしょう。

保存はそのままスマホ内やicloud、Googleフォトなど無料クラウドの中だけで行い、紙焼きにすることもなく、どんどん増えていって大事な写真とそうでないものが区別できなくなりかねません。
そのうちスマホや無料クラウドの容量が足りなくなり、それでも有料クラウドサービスに入りたくない場合は、折角の写真をたくさん消去させられたりもします。
スマホを紛失したりうっかり水没させたりして、保存していた写真がまるごと帰らぬ物となることもあります。
このように、昨今は写真の扱い方が軽いものになっていないでしょうか。

 それを防ぐためには、大事な写真を「選別すること」「保存すること」に少し気を遣いたいところです。

 選別する方法はさまざまありますが、最も基本的な方法は大事な写真専用のフォルダを作ってそこへ入れておくというやり方です。(iPhoneはこちら。Googleフォトはこちら

 保存方法の工夫としては、保存先を複数用意してバックアップをとる、あえて紙焼きして保存する、人にあげたい写真はすぐにあげておく、というようなやり方があります。
バックアップはPC内やUSBメモリ・外付HDDなど外部ストレージに取り込んだり、クラウドの有料プランに加入して容量アップする方法などがあります。
紙焼きはスマホに各コンビニ指定のアプリを入れれば、お店のマルチコピー機で直接行うこともできます。(セブンイレブンはこちら、ローソンはこちら、ファミリーマートはこちら

 紙焼きするというのは時代に逆行しているようにも思えますが、新聞や紙の本が消滅しないのと同じで、パッと広げて見やすく一覧性が良いこと、存在そのものが常時目に見えていること、人に渡すときも容易であること、また火事にでも遭わなければ無くならないというメリットがあります。
大事な写真だけを、古い紙焼き写真も含めて一括保存しようとすれば、電子化して揃えるか紙焼きで揃えるかのどちらかです。
どちらを好むか、またどちらが簡単だと思うかにもよりますが、紙で保存するメリットはいまだに大きいです。

 紙焼きで一括保存する方法として「ベストアルバム」を作ってはいかがでしょうか、と別の記事にも書いています
大量の写真の管理でモヤモヤすることから解放されてスッキリします。
それとともに、亡くなった後、故人の大量の写真は残された家族が保管に困り、いずれは捨ててしまうことが多い中で、この「ベストアルバム」だけはとっておいてもらえると思います。
終活で行うことのひとつとしても、紙焼き写真で「ベストアルバム」を作るのは望ましい形ではないでしょうか。

 そして「ベストアルバム」まで作ってあれば、終活の動画や自分史動画を作るのもいっそう容易になります。
選ばれた写真を見るだけで、例えばインタビュー撮影する際にも、お話しいただく人生の大事なエピソードを簡単に思い出せるからです。
終活の動画を作ることによってご自身による説明の音声やBGMが付け加わり、写真がいっそう引き立ちます。

 当舎のお客様の例では、初めは「自分には動画を作るほどたいした話題はないよ」と自分史動画を作ることに消極的だった方が、写真をひととおり眺めているうちにさまざまなエピソードを思い出して、動画を作るイメージが沸き上がってきたそうです。こうしたことはよくあると思います。

 このように考えると、写真の保存は本当に大事です。消滅しないように気を遣って保存しておきたいですね。
また、撮影する時も「被写体の人にとって、将来とても大切な写真になるかも知れない」と考えて、大事に撮影したいものです。
それはとても尊いことだと思います。

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